数年前から個人用パソコンで使っているPCスピーカーは、スピーカーからの直出しコードで音声を3.5mmプラグ、電源をUSBでそれぞれを接続する安価なタイプで、これが買ったときからずっと「・ピー・・ピ・ピー」と不連続なノイズを出しています。USBをPCではなく外部のUSB電源アダプターにつなぐと静かになるのは確認済みでしたが、このスピーカーの使用頻度が低いのでノイズはまあいいかとUSBはPCに繫いで音を出すときだけ電源スイッチを入れてそのまま使っていました。
(↓動画は、少しわかりにくいですがマウスの動きと連動してノイズが変化するのが確認できると思います(音声は聞き取りやすいように後加工で大きくしています。))
先日PC内部のほこりを掃除するために一旦ケーブルを全部外して掃除し、ケーブルを再接続する際、スピーカー接続時にすでにPCの電源を入れていて、ふと、電源用のUSBだけをつないだ場合は「ピー」が出ない(出ているが非常に小さい)ことに気づきました。
ということは、PC側USB電源に多少のノイズが存在したとして、電源ノイズに関してはこのPCスピーカー側電源入力回路との組み合わせで使用上問題ない程度に低減できているということになります。
ここで3.5mmプラグ”も”つなぐと「ピー」が出ます。
PCスピーカーについているボリュームを絞り切っても出ています。ボリュームを上げると「ピー」が気持ち大きくなります。
ボリュームを絞り切っても出ている、ということから、信号線以外の線(言ってしまえばシールド/GND線)にノイズが存在しているだろうということがわかります。PCに直接ヘッドフォンを接続して注意して聞いてみても知覚できるレベルのノイズはありませんので、音声信号と一緒くたになっている信号としてのノイズ(これの場合は外部的な努力では減らしようがありません)は無いあるいは非常に小さいです。
ということで、ノイズがケーブルの接続にまつわるものであればこちらの分野ですので、「ピー」除去の対策をしてみました。
長くなるので記事を数回に分けます。
PCスピーカーを分解して、試しに電源に220uHと100uF(低ESR品)のフィルタをつけてみました。すでにUSB電源接続のみでは「ピー」は出ない(正しくは小さくですが出ている)ことを確認しているので効果は大きくないはずです。結果は若干小さくなった程度でした。
(■注意! USB規格では5V-0V間に取り付けられる容量は見かけ上10uF以下と規定されています。上記は実験として一時的に大きな容量をつなぎましたが、実際このUSBを何度か抜き差ししてみると、となりに刺さっていた外付けUSBハブが気絶しました。USBの5V供給側回路がダメージを受ける場合もありますのでこの実験のような接続は行わないでください。)
画像↓(私物につき加工が乱暴なのはご容赦ください)
アンプICはTDA2822です。データシートを確認すると、ゲインはICのプリセットで40dB、PSRR(電源ノイズ除去性能)は30dB(@100Hz)程度だそうです。
アース線をつけてみました。こういったノイズに対して効果は限定的であることは経験的にも回路技術的にも存じているつもりですが、当ブログ “スタジオマイクケーブル音声回線のシールド接続について(片端を浮かす是非)” でアンバランス接続のノイズ対策についてGND接続強化という部分がありせっかくですので試してみました(正直アンバラノイズに十分な効果があるほどのGND接続強化は物理的な制約と効果に見合うと思えないコストが必要と想像されるので僕は今のところ懐疑的です)。結果は接続する場所で若干差があり↓画像の接続箇所では「ピー」がわずかに減りましたが、筐体のネジなど他のところでは「ピー」がむしろ増えました。
と、ここまでは接続状態を考えずにざっと手を付けられることを闇雲にやってみたのですが、ここからはPCスピーカーの内部アンプ基板の接続を含めた全体の接続状態を考慮しながら作業してみます。
↓接続状態を図にしてみました。(事後的なので図にできています。実際は原因確認作業がある程度進まないと意味のある図にできません)